Home > マーケティング・事例 > 地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法

地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法

New York

たまには海外の事例など。
割と有名な話なので、知っている人も多いかもしれませんが、知らないと損、と断言できるくらい面白いお話です。

もし、あなたが地下鉄にコンサルとして雇われ、「自動販売機(ジュースとか)の売り上げを上げて欲しい?」と頼まれたら、どうしますか?

「発想する会社」IDEOが弾き出した、ユニークな解決方法

さて、上のお題に対してどんな調査・ソリューションがあるのか?

  • 自販機の数を変える
  • 自販機のデザインを、目立つように変える
  • 商品価格を見直す

などなど、いろんな手があると思います。

が、

IDEOが採用したのは、全く異なる答えでした。

「自販機の上に時計を置く」

・・・・・?

・・・(汗

うん、これだけ書いても何がなんだか。

でも、実際にはこれで自販機の売り上げが本当に、大きく伸びたのです。

なぜ、「自販機の上に時計を置く」のか?

ということで本題です。

※ちなみに記憶を頼りに書いています。多少事実とずれていても、ご容赦を・・・

まず、IDEOが採用した調査手法。
もうこの時点で他社とはかなり違うことがわかると思います。

地下鉄のホームへへばりつき、自販機を買う人、買わない人の行動をとにかく観察し続ける

24時間張り込み刑事(注:デカと読んでください)たいなやり方(汗)ですが、これがIDEOが得意とするユーザ行動観察調査です。

そうすると、面白いことに

  • 地下鉄を歩いている人は、電車の待ち時間をみんな気にしている
  • 自販機で物を買う人も、買う直前に(多分ジュースを飲む合間があるか)時間をチェックしている

なんてことが分かったそうです。
人間の行動の中から、こういった特徴を抽出するのは決して簡単ではないかもしれませんが、言われてみれば「なるほど」という感じ。

そこで

「じゃぁ、時間をチェックする時計と自販機をセットにして置いたら、購買が促進できるのでは?」

という仮説にたどりついたわけです。
結果、大当たり、と。

もし、IDEO以外の業者に頼んだたら・・・

これは、誰が言っていたのか忘れましたが、いわゆる一般的なイメージとして面白かったので掲載。

  • もしマッキンゼーに売り上げ向上を依頼したら、翌日から猛烈な勢いで販売データの分析と各駅の売り上げのばらつきを調べだす
  • もし広告代理店に売り上げ向上を依頼したら、「よし、3億円広告を打ちましょう!」ととりあえず言ってくる

・・・(汗

なんだかこの両者が悪いみたいに思えるかもしれませんが・・・

決してそんな意図はありません。

別にどれが大事、ということはないと思います。いや、本当に。
が、いずれも消費者が置き去りにされている(特に代理店)ところがIDEOとの一番の大きな違い、だというのがポイント。

消費者にとにかく近づき、企業とのギャップを埋めるIDEOの手法は、このケースに限らずWebでも大いに参考になります。
(というかbeBitはかなり参考にしてたり、してなかったり・・汗)

机の上で頭のいい人がうんうん唸っても決してでてこない、ユーザ目線の問題解決・ビジネス成果創出の手法として、取り入れるとよいケースが、まだまだ沢山あるのではないでしょうか?

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
トム・ケリー Tom Kelley ジョナサン・リットマン Jonathan Littman
早川書房
売り上げランキング: 3159
おすすめ度の平均: 4.5
3 IDEOを知ったうえでの本でしょうか
4 見やすくわかりやすいが・・・
5 忘れていた何かを思い出す
5 イノベーションの実像の書
5 イノベーションを生むための具体的な方法

■ 関連記事

twitterRe:Tweet This!

Comments:6

はる 2010-04-26 (月) 06:22

わぁ!!!
ゾクゾクっときたぁ!すごいね、この発想!あたま柔軟だぁ~。すごい刺激受けたわ~

stillnotitle 2010-04-26 (月) 10:26

すごい本質的でなるほどって思う。後からみると、正解はシンプル!でもそこが見えていないことが本当に多いと思う。自分もそうなっている。あぅ。

とも 2010-04-26 (月) 14:18

マッキンゼー、広告代理店、IDEOの比較、信長、秀吉、家康の「〜なら、〜ほととぎす」のように明快ですね。自分が目指すのは間違いなくIDEOの発想です。

451f 2010-04-26 (月) 16:32

私も「派手な大きい広告を構える」ぐらいしか思いつきませんでした。
客寄せの手段で時計とは、現地の行動を観察しないと出てこない発想です。
数字にならないデータを使って結果を出した例ですね。

Tomotaka Imaki 2010-04-26 (月) 18:24

>はるさん、stillnotitleさん,451fさん
シンプルだけども、なかなか簡単には出ない、出せないところが興味深いですよね。
データ至上主義になってしまったら、見えない道というか。

>ともさん
ほととぎす・・・なるほど、と思いました。
IDEOみたいな企業や人材になったら、刺激的ですねー。

いであ 2010-05-03 (月) 02:08

単純に時計があるだけで視線が向くと思うんですが、
時計が少ないところであれば自動販売機でなくても通用してしまうのではないでしょうか。
そういえば時計台ってシンボルになりやすいけれど、そういう理由からなのかもしれない。
時計が見つからなかったら、時計だけを見に、コンビニの中を覗いたりもするし。
あ、でも日本人の特性なのかもしれないな。時間に細かい。

Comment Form

コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。

Remember personal info

Home > マーケティング・事例 > 地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法

Feeds

Page Top