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MECE(ミーシー)の落とし穴

『モレなくダブリなし』の考え方として、今では学生ですら知っているMECE(ミーシー)。

当然ですが、コンサルティングをする人の間では定番の思考方法のひとつです。
でも、「MECE=良い」あるいは「MECEじゃない=不完全・微妙」と考えるのはかなり危険だなって思うこともしきり。

というわけで、MECE(ミーシー)の落とし穴について自戒を込めて。

MECEの良さ

MECEのよさは、なんといってもチェックもれを起こさないことです。
Wikipediaの例を借りると、

  • 製品故障をなくして生産性を上げるために、発生箇所・原因箇所を「空間」的に漏れなく挙げる
  • 工程を 原材料 - 製造 - 加工 - 輸送 - 販売 - 使用 - 廃棄 というように「時間」的に漏れなく挙げる

といったところでしょうか。

たとえばソフトウェア開発のバグつぶしなんかではMECEはとっても重要です。
ウェブサイトのサイトマップなんかも、ある意味MECEですね。

でも、マーケティング工程でMECEをやると、結構失敗することが多いんです。

MECEの、罠

たとえば、こんな図があります。まぁ、両性具有とか、人間以外とか色々あるにしても一応MECEでしょう。image

が、例えばこれをウェブサイトの設計に展開しようとすると、思ったほど意味を成しません。

  • 男性も女性も、高所得者も低所得者も、サイトでの行き先は金利情報とシミュレーション
  • 夫婦で一緒に相談する場合はどうなるんだ?
  • 男性も女性も低所得だけど、足すと高所得になる場合も優先度は低いの?

とかいろいろ。
このように、例えばMECEであっても分類軸によってはただの「絵に描いたもち」「正しいけど、意味のない資料」になってしまいます。

一方で、例えば三井住友銀行の住宅ローンのページを見てみると・・・

image

これだと、消費者の状況に応じて選択肢が提示されていて、非常に先に進みやすい ですね。
男女や所得よりも、ユーザを切る軸が的確なわけです。

ただ、この3つのメニューはMECEではありません。
初心者で新築の方もいるでしょうし、初心者用はあっても上級者(?)用のリンクはありません。

なので、MECEであっても選択の軸によってはまったく意味を成しません、ダブりや抜け漏れが少々あっても次の一手につながる分類・整理は意味があります。

もちろん、全部が全部否定的なわけではなく、MECEが役に立つシーンだって幾つもありました。

でも、なんでもかんでも本に書いてあるやり方をなぞるのではなく、もっと自分の頭で意味のある作業をしないといけないなーって思ってしまうこのごろです。

参考:リーチ率という考え方も、あった

ちなみに、「リーチ率」のような網羅性のみをピックアップした考えが、マス広告等では(かつて)かなり頻度高く用いられていました。
国民全体、あるいは特定の世代等の行動様式が(ある程度)一定だった時代ならではの、シンプルな思考方法ですね。
今では、特定の商材を除きあまり意味はありませんが・・・

余談ですが、総合代理店さんがネット広告のメニューをリーチ率で出してきてひっくり返りそうになったことがありました。

代「○新聞.netと○○と、○○のトップページにバナーを出せば、ネットユーザの8割にリーチできます。」

い「Yahoo!とGoogleじゃだめなんですか?」

代「・・・・・」

い「あと、別にリーチしなくてもいいので・・・」

代・い「・・・・・汗)」

い「そ、そろそろお時間ですね。では、、、」


世の中いろんな考えがあるなぁと思いながら、お盆休み突入です。
今年は、養老天命反転地に行ってきますー。楽しみ♪

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