「技術のHype Cycle」を新規参入や事業企画に活かす

最近のコンサルテーションでは、新規事業に関するお話がもっぱら増えています。
で、知ったんですが、意外とHype Cycleって知られていないんだなと。

Hype Cycleを見ればだけで、(少なくとも世界のマーケット単位では)その技術分野がどういう期待を背負って、このあとUp-Downがどういう形で起こるものなのかのメガトレンドが「ぱっと」分かります。

Hype Cycle 2016で見てみる

といっても、Hype Cycle自体は非常に分かりやすいものなので、いちいちその中身を僕があれこれ解説するほどのものではありません。
(そこが良いのだと思います。)

例えば2016年 Gartnerが発表したものを見てみます。
http://www.gartner.com/technology/research/hype-cycles/

gartner hc 2016 aug

Hype Cycleでは技術を5つのフェーズに分類しています。
※正しい言葉が知りたい場合はWikipediaあたりを見るのが良いかと思います。ここでは自分の言葉で書いてます。

  1. Innovation Trigger(勃興する)
  2. Peak of Inflated Expectations(過剰な期待のバブル)
  3. Trough of Disillusionment(泡がはじけて幻滅して報道からも消え去り)
  4. Slope of Enlightenment(いくつかの企業が啓蒙を続け)
  5. Plateau of Productivity(産業として安定的になり、成熟に向かう)

たとえば、Phase.2(過剰な期待)を丁度超えたようなところで参入すると、とんでもないバカを見る可能性があったり。
※ここでいうと、「今更AI」とか「今更Machine Learning」とか、その辺ですかね・汗

厄介なのは、今この瞬間だと「ピーク」なのでファンディングやニュースが一見すごく華やかに見えることでしょうか。
ただ、その多くというか殆どは5年以内に死亡の憂き目を見ます。

果たして、

幻滅されるのが目前に迫っている技術”に新規事業の命運を預けるのか?

というのは一度は立てておいて良い問いではないでしょうか?
(生き残ったら強い、という”可能性”も含めて)

参入自体は、あくまで事業全体の判断になる

で、上と矛盾するような言い方ですが、群がった人たちが大量の屍になる瞬間というのは逆に

  • そこで放出される人材を獲得したり
  • いい要素技術を持った企業を安く買う

という意味で、ある面では大チャンスだったりもします。

なので、資本の多寡や自社の得意な戦い方によっては、必ずしもピーク直後に検討することが悪いとはいえません。

一方で”スタートアップ”(※僕自身は、この言葉そのものが嫌いですが)という立場からしたら、これから急降下するところに突っ込むのも危ういし、逆にマーケットが形成されつつあるところに小さな体力で殴りこんでも仕方がないんじゃないかなーと。

先行マーケットをリサーチすると、沢山の学びが得られる

じゃあ、既に事業を持っているような(上場企業・大企業の)目線から見たときに、一番分かりやすいのは?というと

「日本より先に技術投資が行われているマーケットの調査をする」
(※大体アメリカですが)

が圧倒的なインプット獲得になります。
特に、最近やった感じで筋がよかったのは

  • ファンディングと顧客を集めつつある新興企業のビジネスモデルを調べつつ、そこの社員やマネジメントクラスに直接つながってヒアリングを掛ける
  • さらに、日本向けにぱぱっとお化粧をしたサービスページなどをつくって、カスタマー調査を掛け(10人程度)

のコンビネーション。
これを自社のビジネスのプロセスに対してよしあしで整備します。
※現地事情も何も知らない日本の会社が日本からネットで調べてもゴミみたいな情報しか集まらないので、要注意です。

ビジネス筋とマーケットの率直な受け入れられ方の両方から良質なインプットが得られ、新規事業の道が浮かび上がってきます。
(※日本の新聞や専門誌で流れる情報なんて、遅すぎて殆ど意味がないし、かといって全く違うマーケットのものを丸パクリしても大体日本の商習慣や消費者のトレンドと合わないんですよね。)

新規ビジネスを作るときや、新しい展開を考える際、「今見えていないもの」を組織が見ることで、ぐっと事業に現実味が増すのではないかなと思います。

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